2012年当時、BARやイタリアン、洋風居酒屋などの飲食店を経営していた私は、毎年の人間ドックで初めての再検査通知を受けました。それは大腸ポリープの除去という、いたって簡単な手術でしたが、悪性（がん）か良性かの結果が出るまでの数日間は気が気ではありませんでした。
　「まさか自分が」という思いとともに、改めて毎日の飲食の大切さを痛感し、その期間にありとあらゆる食にまつわる書籍や映像を閲覧し模索しました。そして、自身の飲食が健康はもとより、畜産動物福祉の胸を衝かれる実態、世界規模での深刻な環境問題などに深く関わっていることを知り衝撃を受け、自然な食事の大切さ（ヴィーガン・オーガニック）にたどり着きました。
　何よりも一番驚くべき事は、そのヴィーガン、オーガニックで作る日々の食事が、今まで感じたことのないほど素晴らしく美味しく、「自然なものを食べて欲しい」という農家さん、生産者さん達の想いを感じる、感動の食事であったこと。今まで当たり前だった「動物性食品を食べること」は、当たり前ではなかったのか、、と、心底から感じました。
　この感動を少しでも知って欲しい、ヴィーガンやオーガニックの素晴らしさを少しでも感じてもらいたいという気持ちから 2014年2月に「しぜんバル　パプリカ食堂Vegan」を開店いたしました。
　開店当初は「ヴィーガン？」「オーガニックってなに？」とも言われましたが、その後インバウンドの増加、大豆ミートのブーム？また身近な企業がこぞってSDGsを掲げ環境問題を唄いだしたこともあってか、ヴィーガンやオーガニックに関心を持った、特に若い世代の方々が急増していると実感しております。
　メニューは可能なオペレーションの範囲内ですが、肉や魚、卵や乳製品、そして添加物を使わなくても、バラエティに富んだ、美味しく楽しんでいただける料理になるよう、試行錯誤して考えご提供しております。
　ヴィーガンやオーガニックに関心のある方はもちろん、ヴィーガン料理なんて初めてという方も、ぜひ一度ご来店いただき、パプリカ食堂のヴィーガン料理を召し上がっていただきたく思っております。
　「肉なしでも、意外といけるね」と思っていただけたら、ヴィーガン料理店として冥利に尽きます。

ぜひ皆様のご来店を心よりお待ち致しております。
店主　中井純一（1970.11生）